【2025現地レポ】チャグチャグ馬コとは?鬼越蒼前神社と盛岡八幡宮で御朱印&現地体験!

御朱印 巡り おすすめ

岩手県の初夏を彩る伝統行事「チャグチャグ馬コ」。カラフルな馬具をまとった馬たちが鈴の音を響かせながら街道を進む姿は、まるで絵巻物のような美しさです。

この記事では、実際に現地を訪れた際の様子とあわせて、鬼越蒼前神社・盛岡八幡宮でいただいた御朱印もご紹介します。
特に盛岡八幡宮では、先月開催された切り絵御朱印のワークショップに参加し、特別な「チャグチャグ馬コ」の御朱印を自分の手で仕上げる貴重な体験をしました。

「お祭りも御朱印も楽しみたい!」という方に向けて、お届けします。

 

🏇チャグチャグ馬コとは?

岩手の初夏を彩る「チャグチャグ馬コ」の魅力は、色鮮やかな装束をまとった馬たちの全身に取り付けられた、大小あわせて700個以上の鈴が奏でる「チャグチャグ」という音色にあります。

1996年環境庁(当時)により「残したい日本の音風景100選」にも選ばれた、岩手の伝統行事です。

詩人・宮沢賢治もその情景を歌に残しました。

祭り当日の朝、家族総出で馬に装束を着せる作業が始まり、鞍(くら)や布団、真鍮(しんちゅう)の飾り、耳袋(みみぶくろ)など、決まった手順で丁寧に飾り付けていきます。
装束のデザインは各家庭の工夫が光り、すべて手作業で仕上げられる、まさに”手作りの祭り”です。

 

🐎チャグチャグ馬コの歴史

《馬との関係の始まり》岩手と馬のつながりは、はるか昔にさかのぼります。
奈良時代:東北地方北部に馬が導入され、その後岩手県は全国有数の馬産地として発展しました。

《馬との共生》人と馬が支え合って暮らしてきた文化が、地域に深く根付いています。
16世紀後半:農耕技術が伝来し、農業に活用されるようになりました。
南部曲がり家(なんぶまがりや)の誕生:馬と人が一つ屋根の下で暮らす独自の民家が生まれ、馬を家族同様に大切にする精神が育まれました。

《風習としての起源》日々の感謝を込めた馬への祈りが、祭りの原点です。
馬の無病息災や五穀豊穣を祈る風習。この時、「小荷駄装束(こにだしょうぞく)」を着せて引くことが流行、これが現在のチャグチャグ馬コの原型となったとされています。

《宮様との関わり》チャグチャグ馬コが広く注目されるきっかけとなった出来事です。
1930年:馬好きで知られる秩父宮殿下が蒼前神社を参拝。参拝後の行列と馬ぞろいが大変好評を博す。
1931年以降:盛岡八幡宮までの行進が恒例行事として定着しました。

《組織と文化財指定》地域の誇りとして受け継がれ、今では全国的な行事へと発展しました。
1948年:「チャグチャグ馬コ保存会」が発足し、行事の継承と工夫がはじまりました。
1958年:開催日を旧暦の5月5日から、晴天の確率の高い新暦6月15日に変更されました。
1978年:文化庁より「記録作成等の措置を講ずべき、無形民俗文化財」に選定されました。
2001年以降:より多くの馬が参加できるように運営体制が整えられ、初夏を彩る華やかなパレードとして、全国から注目を集める行事に成長しました。

 

🚩開催地:岩手県滝沢市~盛岡市

(滝沢市の鬼越蒼前神社に今年は約74頭の馬が集まり、盛岡市の盛岡八幡宮まで約14キロの道のりを4時間かけて進みます)

📅開催日:令和7年(2025年)6月14日(土) ※毎年6月第2土曜日

 

出発地:滝沢市(鬼越蒼前神社)

6月の第2土曜日、限定「チャグチャグ馬コ」の日に拝受できる御朱印です。

 

🌨️現地レポート

今年は役員馬6頭を含む計68頭の馬が参加しました。馬の守り神として知られる鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)をAM9:30に出発した行列は、絣(かすり)の着物に身を包んだ子供たちを背に乗せ、約4時間をかけて田園地帯や市街地を通り抜け、最終目的地の盛岡八幡宮を目指しました。

当日は、朝からあいにくの曇り空でしたが、その天候をものともせず、沿道にはこの伝統行事を一目見ようと多くの見物客が詰めかけ、華やかな装束をまとった馬たちの行列に歓声と拍手を送っていました。馬が鈴の音を響かせながら練り歩く姿は圧巻で、盛岡市材木町の休憩所では、子供たちがニンジンを与えたり、記念写真を撮ったりと、馬とのふれあいを楽しんでいました。

今年もまた、馬と人が共に歩み、地域の絆を感じさせる「チャグチャグ馬コ」。伝統を今に伝えるその鈴の音は、初夏の岩手に変わらぬ風情を響かせていました。

 

📜 馬との暮らし・農耕文化とのつながり

岩手は古くから農業と畜産の盛んな地域で、特に冷涼な気候と山間部の多い地形から、かつては多くの農家が「農耕馬」を飼っていました。

馬は田畑を耕し、荷物を運び、冬はそりで移動する生活の一部。まさに家族の一員のような存在でした。

チャグチャグ馬コは、そんな馬たちへの感謝と安全祈願の行事として始まったとされています。特に農作業がひと段落する時期に、手間を惜しまず馬を飾り立て、行進させることで「一年の労をねぎらう」と同時に、翌年の無事を祈る――まさに自然と共に生きる暮らしの文化が色濃く反映されています。

 

🕊 地域の信仰や行事の継承

チャグチャグ馬コは、単なる馬のパレードではなく、神仏への信仰に根ざした伝統行事でもあります。

出発地である鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)は、馬の守り神を祀る神社であり、出発前には馬と人がともにお祓いを受けます。これは、馬を神聖な存在として敬い、神の使いとして道中を清める意味合いも含んでいます。

また、終着点の盛岡八幡宮では、無事の到着を感謝する祈りが捧げられ、多くの参拝者が馬たちの姿に手を合わせます。地元ではこの行事を通して、子どもたちや若い世代に地域の歴史や信仰心を伝える教育的な側面も果たしています。

世代を超えてこの行事が大切に守られているのは、「馬と人」「人と神」「人と自然」の関係性を、年に一度、目に見える形で確認する儀式だからなのかもしれません。

 

終着点:盛岡八幡宮で開催された切り絵御朱印ワークショップにて、サイト運営者が制作した作品です。素人っぽさが残っていて少し恥ずかしい仕上がりですが、4時間かけて完成させた、思い出深い一枚になりました。

 

💡 来年訪れる方への参考メモ

例年、チャグチャグ馬コは6月第2土曜日に開催されます。
パレードの出発は午前中(9時半頃)から鬼越蒼前神社、到着は午後(14時頃)に盛岡八幡宮です。
沿道は早めに場所取りされる方も多いので、良い観覧スポットを狙うなら1時間以上前の到着がおすすめです。
トイレや休憩所は会場周辺に限られるため、事前の準備も大切。
御朱印目当ての方は、社務所の混雑も加味して時間に余裕をもって訪れると安心です。

※開催日程やルートは年によって変更される可能性があるため、公式情報をご確認ください。

 

📚まとめ

チャグチャグ馬コは、色鮮やかな装束に身を包んだ馬たちと子どもたちが鈴の音を響かせながら歩く、岩手の初夏を代表する伝統行事です。

沿道には多くの見物客が集まり、馬とのふれあいや記念撮影などを楽しむ姿が印象的でした。地域の文化と温かさに触れられるこの行事は、世代を問わず感動を届けてくれます。

来年もどんな風景が広がるのか、今から楽しみです。

ぜひ現地でその魅力を体感してみてください。

 

⛩️【お知らせ】次回開催の「切り絵御朱印ワークショップ」のご案内

切り絵の装飾は、『盛岡さんさ踊り』をモチーフにしています。

 

【盛岡さんさ踊り】のご案内

「世界一の太鼓パレード」・「来て、見て、魅せられ、加わるさんさ」

🚩開催地(メイン会場):盛岡市中央通

📅開催日:2025年8月1日~8月4日までの(4日間)

ぜひ岩手・盛岡さんさ踊りにお越しいただき、東北の夏の夜を、一緒に楽しみましょう。

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